HONEY JOURNAL

ミツバチが教えてくれること~協同~

2017.06.15 | ミツバチの神秘

食べ物の中で、決して腐らないハチミツ。今から3300年ほど前、古代エジプトの墓から瓶に入ったハチミツが見つかったそうですが、ハチミツそのものはまったく腐っていなかったそうです。ハチミツは他の食べ物と違ってそれだけ生命力が強いということなのでしょう。

これだけ強い生命力をもつハチミツは、蜜蜂の協同作業で造られます。
協同・・・・つまり、みんなで心と体を合わせることですが、みんなと一緒に頑張るのが蜜蜂たちの素晴らしさです。蜜蜂は花の蜜を自分のおなかに貯めて、それから他の蜜蜂に口移しで渡し、巣に戻って、その蜜を貯蔵して、羽で仰いで水分を飛ばします。そしてあの六角形の中に貯蔵し、やがて私たちが食べる蜂蜜になります。
蜜蜂たちは、このように仲間と協同することを大切にしている生き物で、決して自分のためには生きようとはしない生き物です。私心がない、常に分け合う、分かち合う生き物なんです。たとえば蜜をお腹いっぱいに食べている蜜蜂を、他のお腹が空いている蜜蜂と一緒にすると、自分のお腹にある蜜をみんなに渡して分け合うそうです。そしてその蜜がなくなってしまうと、みんなほぼ一緒に餓死するのだとか。自分が生き延びるために食べ物を奪い合ったりはしないのが蜜蜂です。
みんなで分け合う・・・。
それに蜜蜂が針で人をさすのは、自分の命を守るためにではなくて、仲間を守るためなんです。なぜなら、針で刺せば、刺した蜜蜂自身は針が抜けると同時お腹もちぎれますから、それで死んでしまいます。つまり針で刺した蜜蜂は自分の命を投げ出すことになるんです。だから蜜蜂が針で人間などを刺すときは、仲間を守るときだけなんです。

人間の歴史は争奪の歴史ですね。領土を、食べ物を、天然資源を、お金を…ありとあらゆるものを奪い合う歴史でした。その歩みの中で、人間はすこしずつ他者と分かち合うことを学んできたと思います。地球を一つの蜂の巣と考えた時、いつか人間が蜜蜂のように「分かち合う社会」を作れるようになる日がくるといいですね。
分かち合う大切さ・・・奪い合うのではなく、蜜蜂のように分かち合うことが、人間の「本能」になったとき、その時がひょっとすると人間という生き物が、完成する時なのかもしれません。

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