自然養蜂家のロス・コンラッド氏は、蜜蜂について次のように言っています、
「蜜蜂は私が知っている動物のうち、生き残るために誰も傷つけない数少ない生き物のひとつだ。蜜蜂植物が受け取ってもらいたがっている花蜜と花粉を受け取って、あの治癒力を持つ驚異的な物質、すなわち蜂蜜、プロポリスなどを作りだす。蜜蜂の巣はすばらしい薬局のようなものだ。それに、蜜蜂はほんとうに協力的だ。」
このような治癒力をもつ蜜蜂は、持続的な将来を築くのに欠かせない要素だと思います。
蜜蜂は自分が生き残るために誰も傷つけない生き物なんですね。この言葉はとても重みがあると思います。人間の歴史は常に自分が生き残るために血みどろの争いであったわけですから。民族間の戦争、国家間の戦争、企業間の戦争・・・最近は、規模は小さくなりますが、人と人の間でおこる、誹謗中傷なども戦争ですね。芸能人などは一般人に比べると大変ですね。雑誌社が生き残るために常にその攻撃の対象になっているわけですから。肉体的な血が流れていなくても、心の血はものすごく流れているのが現代なのでしょう。
そのような観点から考えますと「蜜蜂は自分が生き残るために誰も傷つけない生き物」という言葉にはとても重さがあると思います。しかも彼らの本能的な叡智は他者のために役立っているわけですから。
一方人間の知性は今の段階では常に副作用が生じますね。どんなに素晴らしい発明を成し遂げても、そこには必ず副作用が伴います。遠くへ移動できるための手段として快適な車をつくったとしても、排ガス問題などの環境問題が起こりましたし、便利な通信手段であるスマホができても電磁波の問題があったり、いじめのツールになったり。癌細胞をやっつける抗がん剤ができても他の細胞を痛めてしまうような副作用があったり・・・
現段階での人間の知性では、どんなに良いものだと考えられて生み出されたとしても、そこには問題と副作用があります。それでも少しずつ人間の知性は自己修正しながら進んでいますから、遠い未来、蜜蜂の叡智のように、副作用がない、つまり誰も傷つけない宇宙の叡智に近づけるのかもしれません。