HONEY JOURNAL

ローヤルゼリーって何? プロポリスは?

2023.05.09 | はちみつ豆知識

店頭でお客様とお話していると多く聞かれる「マヌカハニーが、ニュージーランドにしかないマヌカの木から採れる抗菌性が高いはちみつということはわかったけど・・・」の後に続く、「ローヤルゼリーとプロポリスは何が違うの?どっちが良いの?」というご質問。
「耳にはするけれど、実はよくわからない」というプロポリスやローヤルゼリーなど、はちみつ以外に蜜蜂が作り出す生産物について、簡単にご紹介します。

 

ローヤルゼリー
働き蜂が花粉やはちみつを体内で消化・分解・合成して分泌する乳白色・クリーム状の物質で、その名の通り、女王蜂のための特別な食事が「ローヤルゼリー」です。女王蜂はこの特別食のおかげで、働き蜂に比べて2〜3倍大きく、30〜40倍長く生きると言われます。
必須アミノ酸9種とその他のアミノ酸15種に加え、B群をはじめとした豊富なビタミンやミネラル、糖類、ローヤルゼリー特有成分のデセン酸など50種類以上の栄養素を含むことから、「総合栄養食」「パーフェクトフード」と呼ばれるローヤルゼリー。特有成分の解明と、健康分野での幅広い有用性の研究・報告が世界中で活発に行われています。

ローヤルゼリーもはちみつと同様に巣から採られるものの、その量はわずかで、甘みのない発酵食品のような酸味が特徴。本来の風味を味わえて希少価値が高い「生ローヤルゼリー」のほか、生ローヤルゼリーを粉末化した「乾燥ローヤルゼリー」や、はちみつなどを添加・調整した「調整ローヤルゼリー」などが流通しています。


プロポリス
巣の中に蓄えられるはちみつやローヤルゼリーとは異なり、巣の外側や隙間に付着している「プロポリス」。これは、蜜蜂が植物の新芽や蕾から集めた樹脂と唾液をあわせて作った高い抗菌性を持つ物質で、巣に塗りつけることでウイルスやバクテリアの侵入を防いで無菌状態に保つとともに、雨風や冷気も防ぎます。

「敵の侵入を防ぐ城壁」を意味するラテン語のpro(プロ=防御)とギリシャ語のpolis(ポリス=都市)を語源とすることからもその役割は明らかで、プロポリスが持つ抗菌性から古代エジプトではミイラの防腐剤として活用されていました。また、その強力な抗菌作用に加え、抗炎症、抗酸化、抗アレルギーなどの作用も報告されており、様々な疾患・症状への効果に期待が寄せられます。
プロポリスにはフラボノイドや桂皮酸誘導体などの植物由来の成分をはじめ、アミノ酸や各種ビタミン、ミネラルなど300種類以上の成分が含まれていると言われますが、プロポリスの特有成分は産地や植物によって大きく異なることが解明されています。


ビーポーレン(花粉荷)
蜜蜂は花から花へと飛び回って蜜を集めるなかで体中に付く花粉を、足で少しずつ蜜と一緒に丸めて固め、巣に持ち帰ってきます。それこそが、食料やローヤルゼリーの原料になる黄色い粒状の「ビーポーレン」。
巣の中で発酵したビーポーレンは、タンパク質・脂質・糖質のほか、必須アミノ酸やビタミン・ミネラルなどの抗酸化成分や食物繊維など、100種類以上の豊富な栄養素をバランスの良く含んだスーパーフードとして注目されています。味や風味、色などは花粉を採集する花によって異なりますが、クランチ食感でヨーグルトやシリアル、サラダにかけるなど、食事に取り入れやすいのが特長です。

その他にも、古くから日本各地の山間部で貴重なたんぱく源として食されてきた栄養価が高い「蜂の子」を含め、蜜蜂が与えてくれる様々な食品はどれも栄養価が高く、幅広い効果が期待できるものばかり。マヌカハニーをはじめ、それぞれの食品の特徴を知り、目的や好みにあわせて最適なものを選びながら、健やかな生活に役立ててもらえるとうれしいです。
最後に、食品ではありませんが、耳にする機会の多い「蜜蝋」についても簡単にご紹介します。

 

蜜蝋(みつろう)
働き蜂の腹部にある蝋分泌腺から分泌されたロウで巣を作る蜜蜂。はちみつを採取した後の巣を溶かして不純物を取り除き、精製した天然蝋が「蜜蝋」です。
紀元前からロウソクづくりに使用され、その後も化粧品・ハンドクリームの原料として重宝されてきました。また、蜜蝋ワックスとして木工製品・革製品の艶出しや表面保護、撥水・防腐効果の付加など、古代から今日まで変わることなく活用されています。

100%天然の蜜蝋キャンドルは、火を灯すと柔らかな香りとともにマイナスイオンを発生させ、同時にアレルギーのもととなるウイルス、カビ、ダニ、花粉などを吸着して空気を清浄化するため、花粉症や喘息などの改善効果が研究報告されています。また、口に入れても安全なクレヨンの原料にも使われるなど、お子さまのいる家庭でも安心して利用していただける天然素材です。

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